2025年10月30日に発売されたロジクールの横スクロールマウス「MX Master 4」をレビューします。
仕事用マウスとして人気を博している前モデルのMX Master 3Sが発売されたのが2019年9月27日。
MX Master 4は約6年ぶりの新モデルです。
MX Master 4発売後も3Sは終売にならず、Logi Boltレシーバーを省略したBluetooth Editionも新登場しました。
MX Master 4と3Sは併売される形になるので、本記事では2機種の違いも分かるように比較しつつレビューしていきます。
約2万円の新モデル「MX Master 4」と約1.5万円のロングセラー「MX Master 3S」の違いは?
おすすめのマウスはどちらなのか?
早速レビューしていきます。
ロジクール MX Master 4 仕様・スペック
サイズ・重量
| 項目 | MX Master 4 | MX Master 3S |
|---|---|---|
| 高さ | 128.15mm | 124.9mm |
| 幅 | 88.35mm | 84.3mm |
| 奥行き | 50.8mm | 51mm |
| 重量 | 150g | 141g |
MX Master 4を3Sと比較すると、奥行きはほとんど同じながら、高さが約3mm、幅が約4mm、重量が9g大きくなっていることが分かります。

仕様
| 項目 | MX Master 4 | MX Master 3S |
|---|---|---|
| センサーテクノロジー | Darkfield 高精度 | |
| DPI | 200~8,000DPI | |
| ボタン数 | 8個 | 7個 |
| ホイール | MagSpeedホイール ※高速スクロール対応 | |
| サムホイール | あり | |
| ジェスチャボタン | あり | |
| カスタマイズアプリ | Logi Options+ | |
| バッテリー容量 | 650mAh | 500mAh |
| 持続時間 | 70日 | |
| 接続方式 | Bluetooth / Logi bolt | |
際立った違いはMX Master 4はボタン数が8個に増えた点です。
触覚フィードバックを提供する触覚センサーパネルと呼ばれる大きなパーツが追加されています。
触覚フィードバックの詳細は後述します。

またジェスチャーボタンが移設されており、MX Master 3Sではマウス左端(写真の下部の突起部分)にありましたが、MX Master 4では進む・戻るボタンに並んで位置しています。
ロジクール MX Master 4 パッケージ・付属品
パッケージ
パッケージはロジクールらしい黒基調に、ブランドカラーともいえる水色で「MX MASTER 4」と表記されています。

中の茶箱をスライドして引き出し、蓋を開けるとMX Master 4本体が格納されています。
袋にも入っていないので質実剛健というか、悪く言えばコストカットですね。
中華製品の多くがパッケージにこだわる昨今ですが、ロジクールは我が道を行きます。

付属品
付属品も極めてシンプルです。
MX Master 4本体のほかは、Logi Boltレシーバー、カード、保証に関する紙(2枚)だけです。

ロジクール MX Master 4 外観
上面
MX Master 4の外観を見ていきます。
まずは上面から。
MX Master 3Sに比べてサイドホイール(サムホイール)の露出面が増えています。
サンワサプライの400-MAWBT207やRapoo MT760のサイドホールに近い設計になりました。
サイドホイールの一度に回せる距離が増えたことで操作性が向上しています。

正面
MX Master 3Sに比べ、右クリックと左クリック部分の構造がシンプルになっています。
構造がシンプルになったことでデザイン面もすっきりしました。

背面
背面から見ると、MX Master 4の素材感がよくわかります。
とても目の細かいザラザラとした質感になっています。
MX Master 3Sはラバー素材は、経年劣化による加水分解によるべたつきが出てくることがあるので改善点と言えます。

側面
左側面から見ると、進む・戻るボタンの先にもう1つボタンがあります。
このボタンはジェスチャーボタンで、ジェスチャーボタンの位置はMX Master 3Sから変更されました。
ひと際目立つ大きなボタンはMX Master 4で追加された触覚センサーパネルです。
触覚センサーパネルはラバー素材です。

右側面の下部もラバー素材になっていることがわります。

MX Master 4では指が当たる部分はラバー素材で、汗をかきやすい手のひらの部分はザラザラとした素材に変更されています。
汗によるべたつきを抑えつつ、グリップ感・グリップ力を損なわないように工夫されています。
底面
底面で目立つのはソールのサイズが大きくなったことです。
MX Master 3Sと比べると接地面が増え、本体の重量も増したことで操作感はごくわずかに重くなった感を受けます。

ロジクール MX Master 4 の使い心地
接続設定
MX Master 4をPCと接続して実際に使用していきます。
設定の様子は省略しますが、設定は3Sと同じLogi Options+を使用します。
電源を入れると自動でペアリングモードになるのですが、さっそく触覚フィードバックが反応します。
ブルッブルッ、ブルッブルッと震え、デスクに反響してわずかに音も聴こえます。
握り心地
私は浅めにマウスを握るので、親指と薬指で挟みこむように握ります。
まず感じるのは親指のポジションにある触覚センサーパネルのブツブツとした感触。
この感触が心地よく、自然と親指のポジションが落ち着きます。

上部から背面にかけてのザラザラとした質感もとてもよく、べたつきがないので長時間の作業でもストレスなく操作できます。

クリック感・クリック音
左クリック
左クリックはいわゆる静音クリックで耳を立てないと音は聞こえません。
3Sとほぼ同じ感触です。

右クリック
右クリックも静音クリックですがほぼ無音です。
前面から見るとよくわかるのですが、左クリックの方が遊びが大きく、右クリックは遊びがほとんどありません。
製品画像やニュース記事で確認したところ、この遊びの差は個体差ではなく右クリック音は意図して小さくなるように設計されています。

進む・戻るボタン
進む・戻るボタンも静音仕様ですが、クリック音と比べるとペコッとやや音がします。
3Sと比較しても音はやや大きく、押し込む力も必要になります。
(比較用の3Sは2年以上使用しているので経年による変化の可能性もあります。)
ジェスチャーボタン
ジェスチャーボタンは音が大きくパコッと音がします。
気になるのはボタンの位置で、マウスを浅く握る私の場合だと親指を動かしただけではジェスチャーボタンに届きませんでした。
一見するとジェスチャーボタンに届いているように見えますが・・・

角度を変えて見ると指が届きません。

ジェスチャーボタンを多用する人でマウスの握りが浅い人(つかみ持ちやつまみ持ち)には注意ポイントです。
スクロール
MagSpeedホイール
縦スクロール用のホイールは引き続きのMagSpeedホイールです。
ホイールの質感や操作感は同じですが、がたつきが皆無になり回転精度が良くなっています。
(比較用の3Sは2年以上使用しているので経年による変化の可能性もあります。)

MagSpeedホイールはゆっくり回せばカタカタと引っかかりのあるタイプの通常スクロール、勢いをつけて回せばスムーススクロールになり高速スクロールになります。
サイドホイール(サムホイール)
MX Master 3Sでは重かったサイドホイールの回転は、MX Master 4ではやや軽くなっています。
質感はMX Master 3Sと同じですがサイズに変更が加えられ、直径がおそらく1mm程度小さくなり、長さは2.5mm増しています。
サイドホイールの位置も変更になり、一度に回せる距離が増したことで操作性が向上しています。

感触フィードバック
スマートフォンのキーボード入力で文字を入力する時にブルッブルっとする機能がありますが、感触フィードバックはあの機能と同等のものです。
Action Ringのメニューを選択した時や機能を実行した時にブルッブルッと震えて教えてくれる機能です。
例えばスクリーンショット(画面キャプチャ)など画面上に変化がない機能を割り当てると、スクショを撮った時に震えて教えてくれる利点があります。

Action Ring
Action Ringはわかりやすく言うとショートカットを登録しておく機能です。
デフォルトで呼び出す機能とアプリケーションごとに呼び出す機能を登録することができます。

アプリケーション別のAction Ringはプラグインとして提供されていてダウンロードして使用できます。
プラグインにはZoomやDiscordなどのコミュニケーション系、PhotoshopやIllustrator、Figma、Affinity Photo 2などのデザイン系ソフトがありました。

一方でExcelやPowerPointなどのOffice系ソフトのプラグインはありませんでした。
ロジクール MX Master 4 のまとめ
ロジクール MX Master 4は3Sの発売から約6年ぶりの新モデルです。
MX Master 4は、完成形ともいえるMX Master 3Sを改良し、より使いやすいマウスへと進化しています。
本体の素材を変更したことで汗によるべたつきが気になりにくくなり、長時間作業でも操作性を損なわないように配慮されています。
またMagSpeedホイールは回転精度が良くなりがたつきが皆無になり、サイドホイールの位置も変更したことで横スクロールの操作性も格段に向上しています。
MX Master 4は3Sの欠点を改修した仕上がりになっています。
一方でアクションボタンの位置がやや遠くなってしまった点、Action Ringのプラグインの少なさなど、新機能はやや詰めが甘い印象です。
特にアクションボタンの位置は、マウスの持ち方にも依りますがアクションボタンを多用する人にとっては致命的な欠点になりかねません。
MX Master 3Sや3からの買い替えを検討している人にとっては、アクションボタンの使用とマウスの持ち方が評価を分けるポイントになります。
かぶせ持ちの人、つかみ持ち・つまみ持ちでアクションボタンを使用しない人にはMX Master 4をおすすめします。
逆につかみ持ち・つまみ持ちでアクションボタンを多用する人にはMX Master 3Sが向いています。
MX Master 4の感触フィードバックは、スマートフォンのキーボード入力で文字を入力する時にブルッブルっとする機能が好きな人には間違いなく刺さる機能です。
ロジクール MX Master 4 のおすすめ度
| 商品名 | ロジクール MX Master 4 |
|---|---|
| おすすめ度 | |
| 使用期間 | 2025年11月~ ※ 2025年11月5日時点 |

