本記事では、SOUNDPEATSのワイヤレスイヤホン「H3」をレビューします。
SOUNDPEATS H3の特徴は、多ドラ(多ドライバー)と呼ばれる複数のドライバー構成にあります。
有線イヤホン、特に中華イヤホンと呼ばれる中国メーカーのイヤホンではよく見かける多ドラ構成ですが、ワイヤレスイヤホンの多ドラは比較的珍しいです。
多ドラ構成ではダイナミックドライバーが低音域~中音域を担当し、BAドライバーが中音域から高音域を担当することで、全音域において高い再現性と高音質が期待できます。
その反面、各音域のバランス調整が難しいのも事実で、音域のバランスが崩壊してしまったイヤホンも過去にはありました。
SOUNDPEATS H3は、1つの12mmのダイナミックドライバー(DD)と、2つのBAドライバー(バランスドアーマチュア)の構成で合計で3ドライバー構成。
2BA+1DDと表現されるドライバー構成で、個人的には最もバランスが良いと感じる好みの構成です。
小さいボディにバッテリーと3ドライバーを詰め込んだSOUNDPEATS H3の音質を中心にレビューしていきます。
なおレビューに使用したSOUNDPEATS Clip1はSOUNDPEATSから提供いただいています。

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2026年1月10日(土) 23:59まで
SOUNDPEATS H3の仕様・スペック
仕様・スペック
まずSOUNDPEATS H3の仕様とスペックを確認します。
注目ポイントは赤字にしました。
| 周波数応答帯域 | 20Hz~40KHz |
| ドライバー | 12mmダイナミックドライバー ×1 BAドライバー ×2 |
| イヤホン1個の重量 | 約6g |
| イヤホン1個の寸法 | 225.64×22.16×25.97mm |
| 充電ケースの重量 | 約47g |
| 充電ケースの寸法 | 70.88×48.18×31mm |
| 1回の充電でのバッテリー持続時間 | 7時間 ※AAC接続、音量60%、ノーマルモード時 |
| 充電ケース使用時のバッテリー持続時間 | 37時間 |
| 急速充電 | 対応:10分の急速充電で、最大2時間のリスニングが可能。 |
| Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.4(チップセット:QCC3091) |
| Bluetoothコーデック | LDAC、aptX Lossless、aptX Adaptive、aptX、SBC、AAC |
| 防水性能 | IPX5 |
| ノイズキャンセリング | ハイブリッドAIノイズキャンセリング -55dB |
| その他の特徴 | LDAC対応&ハイレゾ認証取得 |
| 外音取り込み機能 | |
| ゲームモード(60ms) | |
| 6基マイクAI通話ノイズキャンセリング cVc 8.0ノイズキャンセリング |
注目ポイントが複数ありますが、特徴的な点は大きく4つです。
3つの特徴について順番に見ていきます。
2BA+1DDのドライバー構成
1点目はワイヤレスイヤホンとしては珍しい2BA+1DDのドライバー構成。
繰り返しになってしまいますが、各ドライバーに担当音域を設定することにより、全音域において高い再現性と高音質が期待できます。
LDACとaptX Losslessのコーデックに対応
2点目はLDACとaptX Losslessのコーデックに対応している点。
BluetoothチップセットにQualcommのQCC3091を採用したことで各種aptXにも対応しています。
LDACはハイレゾ音質を伝送できるコーデック、aptX LosslessはCD音質を伝送できるコーデックです。
LDACやaptXを使用するには、スマホなどのプレーヤー側も対応している必要があります。
iPhoneは両コーデックともに非対応なのでご注意ください。
Andoroidの場合、LDACは機種によって対応状況が異なり、aptXはSoCがSnapdragon(スナドラ)シリーズであることが前提になります。
Snapdragonの世代や種類によってaptX LosslessやaptX Adaptiveへの対応状況は異なります。
ご自身のスマホ対応コーデックが不明な場合は、「機種名+コーデック」で調べることをおすすめします。
ゲームモードが60msの低遅延
3点目はゲームモードが60msと低遅延であること。
Blutooth接続でも40msの超低遅延を実現しているイヤホンも存在しますがゲーミングイヤホンがほとんどです。
リスニングイヤホンとしては60msの遅延はトップクラスと言えます。
-55dBのノイズキャンセリング
4点目は-55dBのハイブリッドAIノイズキャンセリング。
ノイズキャンセリングを有効にするとエアコンの音などはほぼ無音になりました。
再生時間
SOUNDPEATS H3の仕様上の再生時間はイヤホン単体で7時間です。
これはノイズキャンセリングはOFF、AAC接続で音量60%の場合に限られます。
素晴らしいことに、各コーデックごとの再生時間も開示していたので掲載します。
| コーデック | ノーマルモード | ANCモード |
|---|---|---|
| SBC | 7時間 | 4時間 |
| AAC | 7時間 | 4時間 |
| aptX Adaptive | 6時間 | 4時間 |
| aptX Lossless | 6時間 | 3.5時間 |
| LDAC | 5時間 | 3.5時間 |
LDACとaptX LosslessでANC(ノイズキャンセリング)を有効にするとイヤホン単体で3.5時間の再生時間です。
やや短く感じますが、使用しない時はケースにしまうと考えれば、通勤・通学、運動中の使用は問題なさそうです。
SOUNDPEATS H3のパッケージ・付属品
SOUNDPEATS H3のパッケージを見てみます。
ホワイト基調のパッケージに、ゴールドでSOUNDPEATSのロゴとモデル名のH3があしらわれており高級感があります。
内箱をスライドして取り出す構造でさらに高級感を演出しています。

パッケージ前面にはハイレゾ認証マークとLDACマークに加え、aptX AdaptiveやaptX Losslessが使用できるSnapdragon Soundマークもあります。

パッケージ背面には技適マークと認証番号がしっかりと印刷されています。

パッケージを開けるとさっそくH3本体が目に入ります。

付属品
付属品は、PeatsAudioアプリを案内するカード、ユーザーガイド、充電用USBケーブル、イヤーピース、PEATS君ステッカーです。

付属していたイヤーピースはXS、S、L、XLの4サイズで、あらかじめH3に付いていたMサイズを含めると合計5サイズになります。
イヤーピースとしては一般的なシリコン素材です。

SOUNDPEATS H3 本体
ケース
SOUNDPEATS H3の充電ケースは高級感があり良い仕上がりです。
ベースはブラックで、ゴールドのラインがアクセントになっています。
蓋の部分は半透明のブラックスモークです。

背面のヒンジにはSOUNDPEATSと表記されています。

蓋を開けるとSOUNDPEATSのブランドメッセージ「Hear the difference」が刻まれたプレートがあります。
プレート周りは型押しレザーのような素材で、まさに高級を体現したようなデザインです。

角度を変えて上から見たところです。

イヤホン本体
イヤホン本体を見ていきます。
シェルはSOUNDPEATSのロゴマークがあしらわれたデザインでイヤモニのような形状です。
写真ではシェルが黄色がかっていますが、肉眼で見るとここまで黄色味はありません。

ノズル側にマイクの穴がありました。
マイク周辺は光沢のある金属パーツで覆われています。

イヤホンの内側です。
透明になっていて内部のパーツが見えるようになっています。
ノズルは金属製で、穴の形状はClip1やUUに似た花のような形をしています。
LとRの文字の上にはベントと呼ばれる空気穴があるのがわかります。

内側を角度を変えて見ると、Rの文字のすぐ下にダイナミックドライバーが見えます。
イヤーピースを装着したノズル部分は音が出る穴が浅い位置になることがわかります。

イヤーピースをはずとノズルは太いタイプで短めであることが分かりました。

SOUNDPEATS H3とのBluetooth接続
ペアリング
SOUNDPEATS H3を使用するためにスマートホンとペアリングします。
ケースを開けて背面のボタンを長押しします。
ライトが白く点滅すればペアリングモードになっています。

デバイス側(Androidスマホ)
今回はAndroidスマートホンとペアリングします。
デバイス名の「SOUNDPEATS H3」を選択して接続をします。
aptX Adaptiveで接続されました。
※コーデックに何が使用されるかはスマートホンの機種や設定によって異なります。

PeatsAudioアプリ
引き続きPeatsAudioアプリの設定も行います。
「デバイスを追加」をタップすると「デバイスに接続中」となるので、接続されるまで数秒待ちます。

H3が表示されれば接続は完了です。

ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリングは「適応型」「屋内」「屋外」「屋外交通」の4種類です。
通勤通学で使用するなら自動調整してくれる適応型がおすすめです。
外音取り込みは「人の声の強調」と「標準的な外音取り込みモード」の2種類。
当たり前ですが、ノイズキャンセリングとの併用はできず排他仕様です。

イコライザー
イコライザーは大きく3種類です。
あらかじめ調整された12個のプリセットイコライザー、ユーザー環境にあわせて調整してくれるアダプティブEQ、好みの調整ができるカスタムEQが準備されています。

SOUNDPEATS H3の音質
SOUNDPEATS H3の音を確認します。
コーデックはaptX Adaptive、適応型ノイズキャンセリングを有効にして、イコライザーはデフォルトです。
音楽(ロック&ポップス / ハイテンポ)
まずはハイテンポなロック・ポップスです。
低音のベース、ドラムのバスドラの音がズンズンと響きます。
耳でベースラインをしっかりと追えて、ドラムのビートが心地よく響きます。
音源によってはバスドラや和太鼓の振動まで感じ取れる再現力です。
男性・女性ボーカルとも前に出ていて近くでよく聴こえます。
ボーカルがしっかりと分離されていて低音域にも負けていません。
高音域のハイアットやシンバルは解像度が高く音質も良いです。
解像度が高いのでシャキッとした音質ですが、やや抑制されているような音量です。
鳴り負けているという感じではないので、イコライザーで調整できる範囲です。
音楽(ロック&ポップス / スローテンポ)
スローテンポで音が少な目な曲も試聴しました。
低音のベースやドラムのバスドラの音がしっかりと鳴っています。
ベースラインが心地よく響きます。
ボーカルは男性・女性とも前に出ていて澄み渡るように広がります。
ちょっと驚いたのは今まで意識しなかった低音のコーラス(はもり)を明確に捉えたこと。
高音域のハイアットやシンバルの音はやや抑えめです。
シャーン!やチンチンチンチンという高音はもう一押し欲しいと感じました。
イコライザー「高音域の強調」
SOUNDPEATS H3の低音域とボーカルの音質・再現性には満足しつつも、高音域にやや物足りなさを感じたのでイコライザー「高音域の強調」を使用してみました。
結論としては私にはこれがドンピシャでした。
イコライザー「高音域の強調」を使用することで低音域を損なうことなく、高音域が自然い強調されバランス良くなりました。
LDAC
コーデックによって音が大きく変化するイヤホンもあるので、念のためにLDACでも音楽を聴いてみます。
中には低音や高音のバランスが変化するイヤホンもあります。

結論としては、SOUNDPEATS H3はコーデックによる味付けの変化はありません。
違いがあるとすればコーデックの差によるもので、一言で言えばクリアになって解像度が上がった気がします。
一般的にはLDACはピュアな音、aptXはメリハリのある音と言われています。
イヤーピース
イヤホンにこだわる人の中には、自分好みのイヤーピースを使う人もいると思います。
SOUNDPEATS H3のイヤーピースはシリコン製の一般的なイヤーピースだったので、大きめのウレタンタイプのイヤーピースに交換してケースに入るか確認してみました。

ウレタンタイプのイヤーピースに交換します。
かなり大きく存在感がありますがケースに入れてみます。

ケーに入れるとやや浮いてしまいましたがLEDのランプが点灯して認識されました。
ケースとイヤホンは磁石でくっつく仕組みなので、イヤホンが外れてしまうことはほぼありません。
もちろん充電もできました。

ウレタンタイプのイヤーピースの方がフィット感・密閉感が増します。
SOUNDPEATS H3においても密閉感が増すことにより、より聴きやすくなったと感じました。
SOUNDPEATS H3のまとめ
SOUNDPEATS H3は2BA+1DDのドライバー構成で、各音域の再現性・音質が非常に高いです。
特に低音域とボーカルは解像度が高くとても聞きやすいです。
イコライザーを使用すれば高音を強調することもでき、音のカスタマイズの自由度が高いです。
しかも多ドラ構成の恩恵なのか、どの音域も出力を調整するようにごく自然に調整できます。
ノイズキャンセリングにはやや課題があり、特に風切り音の処理が苦手です。
風切り音を軽減しきれず、常時風が当たるような状況ではかえって耳障りになることもありました。
私は再生時間を優先してノイズキャンセリングをオフ、より密閉性を高めるウレタンタイプのイヤーピースに交換して使用していますが、これが想像以上に快適です。
ウレタンタイプのイヤーピースもあらかじめ付属してあるとなお良しです。
SOUNDPEATS H3はカナル型のワイヤレスイヤホンなので、耳の小さい人には装着が難しいかもしれませんが、サイズが合う人にはぜひ使って欲しいワイヤレスイヤホンです。
私の場合はメイン機を脅かす存在で、少なくとも常に持ち歩くことは決定しました。
SOUNDPEATS H3のおすすめ度
| 商品名 | SOUNDPEATS H3 |
|---|---|
| おすすめ度 | |
| 使用期間 | 2025年12月~ 0ヶ月(使用中) ※ 2025年12月8日時点 |
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2026年1月10日(土) 23:59まで

